週刊少年ジャンプ誌上において40年もの長きに渡り連載された人気ギャグマンガ「こち亀」(正式名称・こちら葛飾区亀有公園前派出所)が昨年9月にその連載を終えた。
こち亀は漫画史上最も長い連載作品としてギネスブックでの世界記録も保持している。
そしてその長い連載期間の間に様々な都市伝説が生まれている作品でもある。
ここでは、漫画こち亀の都市伝説!意外な事実が隠されていた両さんの裏話8選について語ることにしよう。
- 両さんは作品中で変身していた?
- 消されたエピソード…幻の回の内容
- 両さんは70代?こち亀年齢ミステリー
- ストック1000話分?絶対休載しないこち亀
- 「今パトロールに出ていますよ」本物の両さんに会える交番
- 両さんの資産1兆円を越えている!?
- こち亀でジャンプの人気が占える
- こち亀40年前に既に実写化されていた!
1.両さんは作品中で変身していた?
こち亀の主人公両津勘吉。
両さんの愛称で親しまれている人気キャラだが、連載当初と中期、後期では彼の絵柄や性格が大きく違うため全くの別人が入れ替わったとする説や、両さんが自分の意思で変身すると言った説がある。
実際初期の両さんは市民に向け発砲するなど過激な行動をしている。
また絵柄も劇画タッチで陰影がはっきりと描かれていてリアル感が強い。
しかし事実は時代の変化と共に絵柄や両さんを含め登場人物の性格が変わって行った事が真相であり、両さんが「ドラゴンボール」のサイヤ人の様に変身した訳ではない。
40年の歴史の中で時代と共にこち亀も両さんも変化していったのである。
2.消されたエピソード…幻の回の内容
こち亀のコミックス第4巻はお持ちだろうか?
実はこの中に消されたエピソードが存在する。
旧4巻には収録されていた「派出所自慢の巻」と言う話が新4巻では「野球狂の男」と言う話に丸々すり替わっている。
では幻の「派出所自慢の巻」とはどの様な話なのか?
簡単にあらすじを述べると他の派出所へ出張に行った両さんと中川があまりの寒さの為たき火をしようと派出所内を物色する。
すると旧日本軍の重火器類が見つかり、その重火器類を燃やしてしまう。
その重火器類は旧日本軍マニアのその派出所の所長の物であった。
二人の行為は十分犯罪であると思う。
そして重火器類を燃やす際に中川が「天皇陛下バンザーイ」と叫んでしまう。
時代が変わり連載当時は問題なく掲載されていたこの回だが後に問題視され消される事となった。
3.両さんは70代?こち亀年齢ミステリー
登場人物の年齢についてもミステリーが隠されている。
両さんこと両津勘吉の誕生日をご存じだろうか?
答えは1943年の3月3日(桃の節句の日)である。
しかしこの計算だと連載終了時には両さんは73歳になり、部長に至っては92歳となってしまう。
麗子と中川も流石に若々しさと美貌を保つのは難しくなる年齢になっているだろう。
しかし、連載中に彼らの年齢は連載時期により変わっているのだ。
両さんを例にとると、1943年の誕生年から1952年へ作中で変更されている。
更に2000年代後半では常に35歳と言う設定で落ち着いた。
漫画の世界での特殊な空間での出来事という訳だ。
お蔭で我々は40年と言う長期に渡り、元気なこち亀キャラの活躍を楽しめたのである。
この様な年齢設定の変更は他の漫画でも見られ、長期連載化した作品の初期設定は往々にして作者を悩ませる元になるのである。
因みに主要キャラクターの最終的な年齢は、両さん35歳、大原部長58歳、麗子23歳、中川25歳である。
2000年代後半から連載終了まではこの年齢のまま彼らは作中で活躍する事になる。
年齢が変わらないと言えばこち亀と同じく長寿アニメのサザエさんやちびまる子ちゃんも年を取らない。
架空の人物とは言え、一体1日の内に何度事件が起きているのかと配してしまう。
それだけ人々に愛され続けている彼らは、これからも年を取らずにファンへ喜びを与え続けていくのである。
4.ストック1000話分?絶対休載しないこち亀
こち亀には常に話のストックがあり絶対に休載はしないと言う都市伝説もある。
中には1000話分の原稿がストックされており、集英社の金庫に保管されている等の噂もあるが、さすがに1000話は誇張し過ぎであろう。
しかしストックがある事は事実らしく、雑誌に掲載された作者の秋本治氏のコメントでもストックについて触れた箇所がある。
そのコメントの中では実際は5話分のストックを常にしていると述べられている。
そしてこち亀は一度も休載することなく、その40年間続いた連載を終了したのである。
5.「今パトロールに出ていますよ」本物の両さんに会える交番
この辺りでほのぼのとする都市伝説を紹介しよう。
それは、原作の亀有公園前派出所のモデルとなった実際の交番で、「両さんはいますか~?」と尋ねると勤務中の警官が「今パトロール中ですよ」と答えてくれると言うものである。
しかもこの都市伝説は実際にこの派出所へ赴き確かめることが出来る。
事実高い確率で勤務中の警官が答えてくれるのである。
場所は「亀有駅北口交番」。
JR常盤線の亀有駅北口を降りてすぐの所にある。
近くには亀有公園もありファンにとっては聖地だ。
近郊にお住まいの方は一度訪ねては如何であろうか。
ただし勤務中の警官が忙しそうな場合は声をかける事は遠慮した方が良いだろう。
6.両さんの資産1兆円を越えている!?
両さんは作品内で様々なビジネスに手を出し、毎回相当な額を稼いでいるのであるが、それらを事細かく計算して行くと、何と1兆を超える額になるのである。
しかしギャグ漫画の宿命か、毎回最後には大損して終わると言うオチが待っている。
その為両さんは資産1兆円越えどころか、逆に1兆円規模の借金を背負っているのである。
しかしあの明るさである。
我々も両さんに見習うべきかも知れない。
7.こち亀でジャンプの人気が占える
週刊少年ジャンプの人気作品ランキングでこち亀の順位によってジャンプ自体の人気が分かると言う都市伝説がある。
この都市伝説はこち亀がランキング上位になると逆にジャンプ自体の人気は相対的に下がり、こち亀のランキングが下位になるとジャンプの相対的な人気は上がるというもの。
これはこち亀の他に人気作品が多く連載されている時はジャンプ自体の販売数も上がる為起こる現象である。
週刊少年ジャンプ自体が常に高い人気を誇る雑誌だが長期に渡り連載されたこち亀は、ジャンプの人気のバロメーターとしても機能していたのである。
8.こち亀は40年前に既に実写化されていた!
こち亀の実写化と言えば真っ先に思い浮かぶのが、香取慎吾が両さん役を演じた2009年放映のテレビドラマだろう。
また90年代から2000年代にかけアニメ版で両さんの声を担当したラサール石井も自身の主演、演出、脚本で舞台化している。
ここまでは比較的最近の出来事なので記憶にある方も多い事だろう。
では今を遡る事40年前に既にこち亀が実写映画化されていた事はご存じだろうか。
40年前と言えば1977年、こち亀連載開始の翌年の出来事である。
その作品での両さん役はせんだみつお。
当時の人気司会者である。
興行成績も悪くなかったのだが80年代初めに1度ビデオ化され発売されて以来再発売はされず、長い時を経て伝説の作品と化している。
因みにこの作品が世に出た頃、原作のこち亀ではまだ中川や麗子は登場していない為この映画の中にも彼らは出て来ない。
何故再発売がされなかったのか詳細は不明だが一体どの様な作品なのか興味は尽きない。
もしかしたらあなたの家の押し入れにはこの伝説の作品が眠っているかも知れない。