近年で確実にノーベル賞を取るだろうといわれてる技術が存在します
それがゲノム編集という技術です
ゲノム編集(ゲノムへんしゅう、英: genome editing)
とは、部位特異的なヌクレアーゼを利用して、思い通りに標的遺伝子を改変する技術である。ヌクレアーゼとしては、2005年以降に開発・発見された、ZFN(ズィーエフエヌ、または、ジンクフィンガーヌクレアーゼ)、TALEN(タレン)、CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)を中心としている。従来の遺伝子工学、遺伝子治療と比較して、非常に応用範囲が広い
wkiにてざっと説明してありますが、なるべくわかりやすく説明してみます
まずちなみにゲノムというものは一体何なのかというと、細胞の中のDNAとか染色体と呼ばれるものをすべてまとめたものをゲノムと総称します
ではゲノム編集とはいったい何か?という話になるんですが
例としてわかりやすいゲノム編集によく似た技術で以前から遺伝子組換えというものがあります
これはスーパーなどで買い物すると裏に成分表示欄などで見かけた事があると思います
実は以前の遺伝子組換えという技術は狙った効果を出すためには、運任せに頼った部分がありました
確率的にいっても何千回~何万回という実験を行なって初めて成功例が得られるという途方もないものでいわば偶然に頼った技術でしかなかったわけです
画期的な新技術「クリスパーキャスナイン」
2012年に新しい画期的な技術が発表されたのがクリスパーキャスナイン(CRISPR/Cas9)というものです
これの何が画期的かというと
遺伝子の狙った部分に切れ込みを入れることができ、なおかつ部分的に削除したり、別の遺伝子を組み込んだりすることが可能になったわけです
例えていうならメールの編集を行うかのごとく簡単に遺伝子編集が可能という技術なんです
しかも今までの遺伝子組み換えのような成功例の低いものではなく、格段に成功例が高くなった技術でいわゆるゲノム編集と呼ばれるものです
ゲノム編集技術を応用するとどうなる?
ではゲノム編集技術を応用するといったいどういった事が起こるのか?という事なんですが、
水産業や農業など食品分野で実験されるゲノム編集
例えば私達人間や多くの生物が持っている遺伝子の機能で、
ある程度筋肉が成長すると筋肉の成長を止めてしまういわばストッパーのような役割の遺伝子でミオスタチンというものがあるんですが
このミオスタチンに着目した京都大学研究者が鯛のミオスタチンをゲノム編集で取り除いた結果どうなったかというと
一匹の魚の肉の量が通常に比べて1.5倍に増えたワケです
※関連記事↓
ゲノム上の特定の遺伝子を改変し、その働き方を変えるゲノム編集。コンピュータの文字データの挿入・削除と同じように遺伝子を編…
ストッパーが無くなった事によって、肉の量が増えるという事がわかったので、
簡単にいえば効率的に養殖というのが簡単になってくるという事なんですね
以前の品種改良方法だと数百年かかってしまうと言われたものもゲノム編集という技術を使えば
たった数年で完成してしまいます。
また魚だけにとどまらずアメリカでは牛にゲノム編集を施したところ2倍の肉料が取れたという報告もあります
これを踏まえるとどんな事に役にたつかというと
食糧難にあえいでいるアジア諸国やアフリカなどで流通させる事によって食糧難の問題解消されるのではないか?といわれています
そのほかに開発されているものがあって
- 腐りにくいトマト
- 成長の早いサバ
- 卵アレルギーの人でも食べられる卵
といった一例ですが開発されています
まだまだ開発の段階ですが、市場に出回り一般の人の口に入る日も近いなんていわれています
マラリアを駆逐してしまうゲノム編集
STAP細胞は存在するこうゆうふうに断言すると9割以上の人は笑ってしまうのではないのでしょうか?STAP細胞が無かった根拠を僕が知りたいといったら笑った多くの人はこう言うんじゃないですか? 「だってテレ[…]
ゲノム編集が活躍していくのではないかといわれている分野がもう一つありまして
病気、医療の分野ですね
人類を死に至らしめてる生物というのが・・・第2位が人間で第1が「蚊」というのは知っていたでしょうか?
世界中のどこかで戦争などが起きていれば「人間」というのは予測できたかもしれませんが
「蚊」というのは以外だったかと思います
日本だと実感沸かないとは思います、「蚊」といったってちょっと刺されても痒くなって少し腫れておしまいくらいなもんですが
世界的に見れば
- マラリア
- デング熱
- ジカ熱
といった死に至らしめるウィルスを媒介させる恐ろしい生物としていて年間にすると70万人以上の人たちが「蚊」によって亡くなっています
ではこの対策をどうしようかと考えたところで、ウィルスにかかった「蚊」だけをピックアップして駆除するなんて現実的には不可能なわけです
かといって蚊を全滅させてしまうという極端な手段を取ったとしても生態系に多大な影響を及ぼす事になりかねないのでこれもできる訳はありません
そこで活躍するのがゲノム編集を使った技術なんです
まずマラリヤにかかりにくい蚊というの作ります。
その蚊を自然界に放ち、もともといる蚊と交配させ子供を産ませますが・・・
この時点でマラリアに掛かりにくい蚊が生まれる確率は50%にすぎない訳なんですが・・・
さらにここでもゲノム編集をつかう事によってマラリアにかかりにくい蚊が生まれる確率を99%以上に引き上げる事が可能になります
といった具合にこの交配を繰り返す事によりマラリアにかからない蚊だらけになり最終的にはマラリアを駆逐が可能になります
この方法は実は遺伝子ドライブと呼ばれ今まさに研究が進んでる段階になります
医療の分野で期待されるゲノム編集
ゲノム編集でもっとも期待されている分野はもうこれしかありません「医療」の分野にほかなりません
実際アメリカではエイズ患者から白血球を取り出して、この白血球にゲノム編集を加えて体内に戻し免疫力が飛躍的に回復するといった報告もあります
癌の治療にもゲノム編集の研究も進められていて
今まで治療不可能といわれていた病気の筋ジストロフィーなど難病の遺伝子治療に使われるといった話も出てきています
禁断のゲノム編集「神」への冒涜?デザイナーベイビー
とある研究が行われたのですが、その研究というのが猿の受精卵にゲノム編集を行い免疫が働かないようにした猿を生み出す事に成功しています
この結果から考えられる一つの答えとして・・・
そうですね。猿の受精卵でゲノム編集が可能ということは人間でのゲノム編集が可能という事が導き出されるわけなんです
では人間の受精卵でゲノム編集を行うというのは非常に大きな問題が起きてしまうことは考えるに難しい話ではありません
これがデザイナーベイビーという問題です
これはあくまでも仮定での話になってくるんですが、自由自在に人間の受精卵にゲノム編集ができる事が可能になったらどうなるか?ということなんですが。
まず行われるであろう事といえば病気を患ってる親が子供に遺伝しないようにゲノム編集をほどこしたりとか考えられるんですが・・・
実際これだけでは収まるわけはありません
親の気持ちに考えてみるとわかりやすいと思うんですが・・・
- 少しでも背を高く産んであげたい
- 顔を整った顔立ちにしてあげたい
なんてなおのことで
もっと欲をかいてオリンピック選手を凌ぐような身体能力をもった子供を産みたいなんて考えるのが自然ではないのでしょうか?
そしてそれはゲノム編集ではできてしまうわけなんです
もっといえばIQ200を超える天才を生むなんて簡単にできてしまうし、究極&極論まで行き着くなれば・・
すべてを兼ねそなえたパーフェクトヒューマンができてしまうわけなんです
これはもうかなり問題視されているんですね
親が自分の子供を自由自在にデザインできてしまう・・デザイナーベイビーという問題なんです
そういう事もあり世界的には「時期尚早、こんな事はしていはいけない」という意見がどっちかというと大半の意見で
国によっては法律で規制したりするところもあります
デザイナーベイビーを許せば人類は完全に二極化してしまう?
実はそんななか、中国でデザイナーベイビーの実験が行われました↓
もうすでに議論の余地ナシにやってしまう人たちは出てきてしまっている状況にあります
いつの時代もテクノロジーというのは人間の欲望によって発展していくという側面は否定できない事実でもあります
ゲノム編集によって子供をより良く生まれてほしいというという願望から発展していくというものでもあります
ただ・・・最先端の技術ということで一般の人たちがその技術の恩恵を受けるには非常に高額な費用負担が強いられるのは分かりきった事で
つまりゲノム編集の恩恵を受けられるのは一部の限られた富裕層の人間という事になっていきます
ということは・・・すでに世の中で成功し力を持った富裕層の人間がゲノム編集を行い、
その子供たちがまた社会の支配階級に居座り続けるというスパイラルが起こり
そいて逆にゲノム編集を受ける事ができない貧しい層の人間は
どう頑張っても努力という次元では超えられないという完全なる二極化ができてしまうわけなんです
遠くない未来に支配階級の人間がゲノム編集によって生まれたパーフェクトヒューマンが一般層の人間を支配するという
完全なる二極化ができてしまうかもしれません