ピラミッドの謎は解明されるか?ピラミッド建設5つの謎

「古代建築」と聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのは「エジプトのピラミッド」ではないでしょうか?

エジプトのピラミッドは「世界七不思議」のひとつにも数えられ、観光地としても人気の建造物です。

しかし、その建設方法や建設した目的には多くの謎がいまだに遺されているのも事実です。

果たして、エジプトのピラミッドにはどのような秘密が隠されているのでしょうか?

ここでは「ピラミッド建設5つの謎」についてご紹介しましょう。

 

1.いまだ解明されていないピラミッドに関する3つの謎

ピラミッド(Pyramid)」とは、四角錐上の形状を持つ巨石を組み上げて作った建築物の総称です。

一般的に、単に「ピラミッド」と呼ぶ場合、「ギザの三大ピラミッド」を始めとするエジプトのピラミッドを指すことが多いですが、学術的には、ピラミッドと呼ばれる建築物はエジプトのみならず、中南米など世界各所に存在しています。

もっとも有名な「ギザの三大ピラミッド」を始めとする、エジプトのピラミッドは、調査中で未確定のものも含めると総数約140基、建設されたのはおよそ紀元前2600年頃から紀元前1800年であるとされています。

世界的に知られる「エジプトのピラミッド」ですが、実は「誰が」「何のために」建設したのか、それを証明する決定的な証拠はいまだ発見に至っておらず、現代でもその正体は秘密のベールに覆われています。

それでは、ピラミッドの建設に関して、どのような謎が存在するのでしょうか?

 

①ピラミッドは「墳墓」ではないという説が存在する

学術的には、エジプトのプラミッドは「国王が建てた自身の墓」とする説が定説となっています。

これは、日本や中国における「陵」……つまり支配者を埋葬した古墳と類似している建築物であるからそう考えられたのですが、実は「ピラミッド=王の墳墓説」には異論を唱える学者も数多く存在しています。

その根拠となっているのは、ピラミッドから埋葬された者の遺体、つまりミイラが完全な形で見つかったことはない、という事実です。

「エジプトの王のミイラ」として有名なものに「ツタンカーメン王」のものがありますが、この「ツタンカーメン王」が埋葬されていたのは「王家の谷」とよばれる岩窟を穿って作られた墳墓からでした。

ただし、ツタンカーメンが葬られたのは紀元前14世紀で、ピラミッド文化が廃れて以降の時代のことになります。

また、完全な状態のミイラは発見されていませんが、遺体の一部や骨格、ミイラを製作する際、取り出した内臓を保存するために用いられたカノプス壺と呼ばれる陶器やその破片などが見つかったケースは存在しています。

ピラミッドから遺体が発見されない理由については「盗掘」説を有力視する見方もあります。

これは、亡くなった王が埋葬される際に数多くの財宝が副葬品とされたことや、ミイラが生薬の材料になるという噂があったことから、多くのピラミッドが数千年の歳月のうちに、盗賊によって盗掘を受けていたせいであると考えられています。

しかし、「ピラミッド=王の墳墓説」を決定づける証拠がないことも確かです。

「墳墓」以外に考えられているピラミッドの建築理由には、神殿や天文台説の他、UFOが地球に着陸する際に使われる目印だった、といった説も考えられています。

 

②ピラミッド建築には厳密な法則性がある

約140基が現存するとされているエジプトのピラミッドですが、その建築はすべて厳密な法則性に従って造られていることが知られています。

例えばピラミッドは正方形を底面とした四角錐の形状をしており、底面を除く4つの面が外側から見て取れるわけですが、実は、どのピラミッドもこの4面が東西南北に対し、ほぼ正確に向いていることが分かっています。

また、数多くのピラミッドが建設されているわけですが、その配置にも法則性があったと考えられています。

有名な「ギザの三大ピラミッド」は、その配列が「オリオン座」の三ツ星の配列にぼぼ一致していることが知られています。

しかも、過去においては三ツ星とピラミッドの位置関係が完全に一致する時代もあったとされますが、これは紀元前10500年頃の話であり、一般的に知られているピラミッドが建設された時期(紀元前2600年から1800年頃)とはまったく食い違っています。

さらに、エジプトのピラミッドが建設された一帯の緯度を中心として地球の円周上に幅百キロの帯で円を描くと、その範囲に南米ペルーのマチュピチュや、イースター島のモアイ像、カンボジアのアンコールワットなど、有名な遺跡の数多くがその一帯に含まれることになります。

 

③ピラミッドは、その時代の土木技術では建設不可能であった

現存するピラミッドの中でも最大のものは、ギザの三大ピラミッドのひとつである「クフ王のピラミッド」です。

この「クフ王のピラミッド」は底辺の一辺の長さが230メートル、頂点までの高さが146メートルもある巨大なもので、建設には一つ2.5tの巨大な石のブロックを、80万個も積み上げることで造られています。

その巨大さと完璧に近い四角錐の美しい形状から、ピラミッドの中でも代表格とも言える存在であり、「世界の七不思議」に数えられるのも、このクフ王のピラミッドです。

クフ王は紀元前2600年頃、つまりピラミッド建設時代のごく初期に王国を統治した人物とされ、彼は自身の墳墓となる大ピラミッドを20年かけて建設したとされています。

しかし、クフ王の時代の土木技術では、あれだけ巨大なピラミッドを建設することが不可能であるとする説が存在します。

こと、クフ王の時代はピラミッドの時代の初期にあたり、この同時代には、まだ四角錐の形になりきっていない、階段状の構造を持つ原始的な設計のピラミッドも数多く存在しています。

また、クフ王のピラミッドの建設には、円周率や黄金比といった、高度な数学理論が用いられていることも知られています。

はたしてなぜ、クフ王はその時代にこれだけ完成されたピラミッドを建設しえたのでしょうか?

 

2.ピラミッドの”真の建設者”を巡る2つの噂

エジプトのピラミッドを「王の墳墓」と断定するには多くの疑問が残っていること。

また、その建設にかかわる規則性や困難性、さらに多くの高度な技術が用いられていること。

こうした状況証拠から、ピラミッドの建設を行ったのは古代の王ではなく、別の存在だったとする噂があります。

果たして、何者がこのような建設物を築き上げたというのでしょうか?

 

①フリーメイソンが建設したとする噂

ピラミッドの建設には、膨大な数の人手がかかることは容易に想像できます。

過去には、絶対王政を敷く国王が奴隷を使役し、過酷な重労働をさせて築いたという説が有力でしたが、これは後に発掘された資料から、ふつうに雇用され賃金をもらって働く労働者が建設を担っていたことが判明しています。

しかし、そうだとすると、膨大な数の労働者に一定の賃金を支払う必要があるわけですから、相当の資産を必要とすることもまた、容易に想像できます。

更に、上記した通り、ピラミッドの建設に際しては、東西南北を正確に把握できる天文学や円周率・黄金比といった高度な数学知識を必要とします。

膨大な労働者を効率よく監督し、高度な建設技術を持ってピラミッドを建設する。

そのためには、豊富な資源力と技術力を持った集団による管理運営が必要となったのではないでしょうか?

国家に属さない建築技能集団としては、中国の春秋戦国時代後期に存在した「墨子」という団体が有名ですが、このピラミッドの建設を担った技術集団が、かのフリーメイソンであったという説が存在しています。

一般的に、フリーメイソンの設立は16世紀から17世紀にかけてのこととされており、紀元前2600年に存在できるはずがありません。

一方で、フリーメイソンはキリスト教が誕生するはるか以前、紀元前10000年頃には原型となる団体が存在していた、とも言われます。

フリーメイソンがピラミッド建設を行ったとする、その説の根拠となるのが、彼らのシンボルマークである「プロヴィデンスの目」です。

「プロヴィデンス」とはキリスト教において「摂理」を意味する言葉で、「プロヴィデンスの目」とは”神の全能な目”という意味となり、そのシンボルは三角形と目の組み合わせで描かれます。

この、「プロヴィデンスの目」を象徴する三角の図式こそ、ピラミッドのデザインが元になっているのです。

現に、アメリカの1ドル札には、未完成のピラミッドと目を組み合わせた「プロヴィデンスの目」のデザインが採用されています。

 

②宇宙人が建設したという噂

エジプト文明の出現に関しては、もうひとつの大きな疑問が生じます。

先の紹介の通り、ピラミッド時代の初期に建設されたクフ王のピラミッドは、すでに相当の完成度を誇っていますが、実は、ピラミッド文明が登場する以前、文明の土木建築や天文、方位学といった技術スキルが発達していく過程を示す根拠は見つかっていません。

これはエジプト文明に先立ち、旧石器時代だったメソポタミアに突然出現したシュメール文明にも共通する特徴です。

はたして、古代エジプト人やシュメール人が、どうやって突然高度な技術を持つ文明を築き上げたのでしょうか?

その疑問の回答のひとつとして提示されているのが「宇宙人から技術を与えられた」とする説です。

イギリスのタブロイド紙「Express」は、英国のUFO研究サイトの独自研究の成果として、ピラミッドが12500年前に宇宙人の手によって建設された説を紹介しています。

同サイトでは、宇宙人がピラミッドを建設したとする根拠について、上記で紹介した法則性や高度な数学知識が用いられているという話の他、ひとつ2トンを超える石塊を80万個も積み上げる工事が、人力のみでできるものではない、という考えも列挙しています。

確かに、あの極めて完成された巨大な建造物を、20年程度の時間でしかも人力のみを使って完成させたと考えるのは、いかに高度な技術集団が関わったとしても無理があるようにも思えます。

しかし、宇宙人のもたらした技術を用いたらどうでしょうか?

確かに「ピラミッド=宇宙人建設説」には、それなりの説得力が感じられるのは間違いありません。

 

まとめ

エジプトや中南米のピラミッドが有名ですが、実は日本にも、奈良県の三輪山を始め、ピラミッド説が噂される山がいくつか存在しています。

近年、ピラミッドはナイル川の氾濫で農地を失った農民を救済するための公共事業であったとするなどの新たな学説も生まれています。

まだまだ多くの謎に包まれているピラミッド。

この先、あっと驚くような新学説が生まれてくることを期待してしまいますね。

 

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