就寝中、突然身体がしめつけられたように動かせなくなる、いわゆる「金縛り」。
経験したことのある方も少なくないでしょう。
なぜ、金縛りが起こるのか、不思議に思ったことはありませんか?
金縛りは、時に、自分でも気づいていない恐ろしいことの予兆でもあるのです。
ここでは「金縛りの夢2つの解釈」についてご紹介しましょう。
1.「金縛り」に関する3つのトリビア
「金縛り」は医学的には「睡眠麻痺」と呼ばれる睡眠障害の一種です。
不規則な生活や寝不足、ストレス、過労などが原因でおこる症状で、ノイズのような幻聴などの前兆があることを特徴とします。
「金縛り」の経験者は、ある統計によれば8割を超えるともされており、多くの人が一度は経験したことのある症状です。
医学的な原因以外では、心霊現象や精神的問題を原因とする考え方もあり、宇宙人の仕業と考えるケースもあるようです。
しかし「金縛り」という症状については、意外に知られていないことや、誤解があるのも事実です。
それでは「金縛り」に関するトリビア(豆知識)を紹介しましょう。
①「金縛り」という名称は仏教用語に由来する
「金縛り」という名称は、密教において不動明王の力を借りて敵を拘束する修法(加持祈祷)である「金縛法」という仏教用語に由来します。
世界的に、「金縛り」の原因は幽霊や悪魔、妖精のような超自然的存在の力に寄るものと認識されるケースが多くを占めます。
統計によればアフリカやアメリカに「金縛り(睡眠麻痺)」を経験する人が多く、頻繁に「金縛り」を経験する「睡眠麻痺障害」を持つ割合が高いとされています。
②大半の場合、「金縛り」は目を閉じて体験している
「金縛り」を経験した人の多くは、その時の周囲の状況(部屋の様子など)を記憶していることから、金縛りが覚醒状態で起こっていると思いがちですが、実際には違います。
「金縛り」には「開眼型」と「閉眼型」の二種類があり、その大半は「閉眼型」=就寝中に半覚醒の状態で起こる症状です。
「開眼型」=完全に覚醒している状態でおこる金縛りはごくまれですが、その場合意識は鮮明で五感は機能しているけど、全身の随意筋(自分で動かせる筋肉)は機能しないため、物は見えるけど視線を動かすことができないといった症状が起こります。
③「金縛り」は夢の一種
人間の睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の二種類の状態があります。
「レム睡眠」とは、全身の随意筋が休息し感覚が遮断されている状態であるが、脳は活動している状態の睡眠です。
この時、眼球を動かす筋肉だけは遮断されていないため、眼球が激しく動くという現象を伴います。
「レム」とはこの眼球の急速運動を意味する「Rapid eye movement」の略称です。
「ノンレム睡眠」は、この眼球の活動が休止に入った状態の睡眠(深い睡眠)のことで、人間の睡眠の状態は、この「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が交互に起きる状態を繰り返しています。
レム睡眠時には呼吸が止まる現象や、感覚が遮断された手足を他人に動かされるような症状を覚えることがあります。
この時に感じる「息苦しさ」や「拘束される感覚」を「何者かに身体を押さえつけられている」と感じた結果、夢として見るのが「金縛り」の正体だと言われています。
このような症状が現れるのは、ストレスや生活リズムの乱れが原因と考えられています。
2.夢占いの観点から見た「金縛り」2種類の意味
医学的にはレム睡眠時に起こる睡眠障害の影響で見る「夢」が「金縛り」とされていますが、夢占いや診断の見地からみた場合はまた違った意味があるようです。
「金縛り」の夢は、警告であると言われています。
ひとことで「金縛り」の夢と言っても、そのパターンはさまざまですが、中には決して無視できない危険を警告しているケースもあるようです。
果たして、「金縛り」の夢にはどのような意味があるのでしょうか?
①「金縛りの夢」は、二種類に大別される
「金縛りの夢」の意味と言うと、多くの方は不吉な印象を抱くのではないでしょうか。
確かに「金縛り」の現象は人によって捉え方が違うものの、その体験には不快感や恐怖感を伴うため、しばしば心霊現象やエイリアン・アブダクションと結び付けられて説明されていますから、その夢の暗示するものが良い意味を抱くものとは考えにくいのは事実です。
重要なことは、その夢の中でどのように「金縛り」になるか、そのシチュエーションを見極めることです。
場合によっては何者かによって「金縛り」にされる夢を見ることもあるでしょう。
夢のシチュエーションの違いは、その夢を見る人と「金縛り」の夢を見る原因の関係を指し示しています。
その”関係”によっては、凶兆ではなく吉兆を示す夢となる場合もあるのです。
それでは、パターン別に「金縛り」の夢の意味を「吉兆」と「凶兆」の2パターンに分けて説明致しましょう。
②「凶兆」としての「金縛りの夢」
・金縛りになる
「金縛り」は、あなたが抱えるトラブル・問題を象徴しています。それも、身動きが取れないほと大きく、重い問題です。
「金縛りになる夢」を見た時は、まず落ち着いて今の自分が抱える問題を整理してみましょう。
それは一朝一夕で解決できる簡単な問題ではないはずです。
まずはできる範囲から、ひとつずつ問題の種をつぶしていくことを考えましょう。
・誰か(何か)に「金縛り」にされる
何者かによって「金縛り」にされる夢の場合、その「何者」かは、あなたが抱える問題の原因になっている存在、あるいは原因を作っている相手と考えられます。
相手が現実の知人であった場合、その相手はあなたが「会いたくない」「関わり合いたくない」と思っている人物です。
その相手に対してはっきりと苦手意識や嫌悪を抱いている場合もあるでしょうし、無意識に嫌っているケースもあるでしょう。
この場合、問題となる相手との人間関係を改善することが「金縛りの夢」の改善に繋がります。
特に関わり合いになる必要のない相手なら、距離を取ってかかわらないことも有効ですが、学校の担任や会社の上司といった場合は一方的に無視するわけにもいきません。
相手との人間関係を改善することが自力では困難な場合は、誰かに相談してみるといいでしょう。
・幽霊に取り憑かれて「金縛り」になる。宇宙人にアブダクションされる
「金縛り」になる原因が、たとえば幽霊に憑依されたり宇宙人にアブダクションされたりすることだった場合、明確な原因がわからないまま、かなり精神的に追い詰められている状況を示していると言えるでしょう。
あなたは心身ともにかなり疲労していますので、独力で解決しようとしたりせず、周囲の人の助けを借りましょう。
・身体の同じ場所を押さえつけられる・痛みを感じる
「金縛りの夢」を何度も繰り返し見るのは、あなたが精神的に追い詰められている危険な状況を示します。
特に、身体の特定の部位を押さえつけられた、痛みを感じる場合、それはその部位に何らかの疾患が生じている可能性も考えられます。
心療内科等を受診するなどして、しっかり問題を解決してください。
③「吉兆」としての「金縛りの夢」
・金縛りが解ける
「金縛り」は大きなトラブルや問題の象徴であり、それが解けるということは、あなたが抱える問題が近いうちに解消されることを暗示しています。
まもなく、あなたの抱えている問題は解決し、「金縛りの夢」からも開放されるでしょう。
・誰かが金縛りを解いてくれる
あなたの「金縛り」を解いてくれる人物は、あなたの抱える問題を解消してくれる相手です。
それが友人や家族、同級生や上司といった人であれば、その人が問題解決のキーマンとなりますので、日頃の人間関係を良好に維持するよう務めましょう。
あなたの「金縛り」を解くのが見知らぬ人物である場合は、幸運が舞い込む可能性を暗示しています。
ただし、その吉兆はわかりやすいものであるとは限りません。
見逃してしまう可能性もありますので、注意してください。
まとめ
「金縛り」体験は精神状態だけが原因ではなく、身体的な疾病と関連している可能性があります。
もし、「金縛り」以外にも身体に不調を覚える点があった場合は素人判断せず、病院で診察を受けるようにしてください。