数多ある災害の中でも、特に恐れられているのが巨大地震です。
特に、地震国である日本人にとって、「地震がいつ起こるのか?」ということは、古来から人々の関心事でした。
明治時代以降、地震の予言は「地震予知」として、科学的学問的体系としてまとめられてきましたが、いまだ完全な予知には程遠い状況にあります。
しかし、そのような状況であっても、巨大地震の引き起こす災厄から免れたいと思うのは世の常でしょう。
毎年、数多くの地震発生に関する「予言」「予知」が公表されています。
ここでは、 2018年以降予想される地震の予言5選について紹介していきましょう。
1.地震の「予言」と「予知」 4段階の歴史的変遷
地震予知の歴史は古く、古代ギリシャや古代ローマで、すでに神官による地震の予言が為されていた記録が残されています。
まだ科学的な観測手法が存在しなかった時代においては、地震は神によって為される天罰であると信じられ、恐れられていました。
しかし、ルネッサンス期を経て科学的思考が一般化してくるに従い、地震に対する認識も”神の怒り”から”自然現象”へと変化。
かつては霊的能力を持つシャーマンや神官による「神託」として語られた「地震の予言」は、科学的思考に基づく「地震予知」へと変貌していきました。
①自然現象としての地震を考察した哲学者カント
18世紀後半に活躍したドイツの哲学者イマヌエル・カントは、若き頃、いくつかの自然科学に関する論考を執筆、その中で「地震」を「自然現象」として科学的に考察しようと試みています。
当時、ヨーロッパでは1755年にポルトガルで発生した「リスボン地震」と、その巨大な被害に対する関心が高く、多くの著名な学者・思想家がさまざまな考察を残しました。
特に哲学者であったヴォルテールは、リスボン地震を根拠として、世界を神が創り出した「良きもの」と捉える信仰的な楽観論や「天罰」論を批判し、社会に大きな影響を与えました。
カントが地震に関する考察を著述したのはそのような時代背景を受けてのことであり、18世紀後半から19世紀にかけ、地震を「神罰」としてではなく「自然現象」として捉えようとする土壌が生まれました。
これ以降、「地震学」は科学のひとつのジャンルとして確立していくことになります。
②関東大震災は「予言」されていた
日本における近代地震学は19世紀後半から大きく発展し始めますが、20世紀初頭の1905年に、雑誌『太陽』に掲載された今村明恒と大森房吉による論文「関東大地震論争」が大きな物議を醸すことになります。
この論文は、江戸時代に起こった3つの大地震(慶安・元禄・安政)の発生時期から、関東地方で約100年周期で大事地震が起こると推測、論文執筆時点から50年以内に、大地震に対する備えができなければ、東京で10万人から20万人の死者が出るであろうと予測したものでした。
この論文は学会で取り上げられ、大きな騒ぎを引き起こすことになりますが、事実として、論文発表から18年後の1923年、関東大震災が発生しています。
2006年版の理科年表によれば、関東大震災の被害者は10万5千人であったとされています。
③現代科学でも地震の正確な「予知」は不可能
近代急速に発達を遂げた「地震学」ですが、では、その信ぴょう性はどれほどのものでしょうか?
地震が起こるのは、地球の表面を覆っているプレートと呼ばれる複数の岩盤が、互いに違う方向に移動していることから、互いにぶつかり合ったり、引っ張り合って歪が生じることが原因です。
地震は大別して2011年に発生した東日本大震災に代表される「海溝型地震」と、1995年に発生した阪神淡路大震災に代表される「内陸型地震」の2種類にわけられますが、いずれの種類にせよ、現時点において地震発生を正確に「予知」することは事実上不可能とされています。
地震の「予知」が困難な理由としてはさまざまな要因が上げられますが、最も端的な理由のひとつは、データの圧倒的な不足が上げられます。
これは、近代地震学が成立してからまだ日が浅く、地震発生時のデータが充分に蓄積していない事を意味しています。
また、近代地震学以前のデータについては、古文書などに遺された記録を辿らなければなりませんが、その多くは散逸してしまっており、現存する記録も、その正確性を確認することには困難が伴います。
こうした事情から、現代においても地震の発生を正確に「予知」する決定打は存在していません。
④現代にも生きる『地震の予言』
近代地震学はいまだ発展の途上にあり、完全な地震の「予知」が可能となるまでには、まだ長い時間が必要であると考えられています。
こうした状況にあって、見直されているのが地震学に頼らない、さまざまな手法による地震の『予言』です。
確かに、その多くは根拠に乏しく、客観的信ぴょう性という意味においては近代地震学に遅れを取るのかもしれません。
しかし、数多くの「予言」の中には確かに未来を言い当てたと言えるものがあった事実も否めません。
地震の「予言」を、まったく根拠のないオカルトと切り捨ててしまうことは、少なくとも現代においては、いまだ困難であると言えるのではないでしょうか?
2.2018年に起こる地震についての5つの予言
2016年は、熊本で発生した巨大地震が特に記憶に残る年でしたが、そうした巨大地震の影響もあったため、年間に発生した地震の回数は6578回を数えました。
これは東日本大震災が発生した2011年の10681回に続く、過去10年間において2番目の記録となっています。
2017年に起こった震度1以上の地震は、5月末の時点で803回と、前年に比べて大きく減少したように感じられますが、2010年(東日本大震災の前年)、2015年(熊本地震の前年)がともに地震回数が少なかったことを考慮すると、安心できるデータではないことも確かです。
それでは、2018年以降、いったいどのような地震が発生すると予言されているのでしょうか?
①東京の西40km周辺で震度6の地震(2018年晩夏)
『FBI超能力捜査官』の異名を持つアメリカ・バージニア州在住のジョセフ・マクモニーグル氏は、”透視能力”を持ち、自宅にいながら地球上で起こるあらゆる事象を透視してそれを予言できると言われています。
マクモニーグル氏の日本に関係する予言で有名なものとしては「2011年までに発生する災害で、スカイツリーの完成が2年遅れ、また完成時には当初の設計よりも高くなる」というものがあります。
スカイツリーの竣工は当初の予定であった2011年の年末から、東日本大震災による損傷の点検などから工期が延び、翌年2月にずれ込んでいます。
また、その高さは当初の予定より24メートル高くなっており、これによってマクモニーグル氏の予言の精度の高さが証明されたと言われています。
そのマクモニーグル氏が、今後日本で起こる地震のとして、「2018年晩夏に東京の西40kmの地点で震度6の地震が起こる」と予言しています。
「東京の西40km」がどこを指すのか、正確な位置は不明ですが、都心から換算して、八王子周辺であると考えられています。
②東京または大阪で巨大地震(2018年5月・9月・10月のいずれか)
大正から昭和期にかけて活躍した画家の岡本天明は神道の研究家としても知られています。
その岡本天明が国之常立神(くにのとこたちのかみ)の憑依を得て自動筆記で記したとされる預言書が『日月神示』(ひつきしんじ。『ひふみ神示』『一二三神示』とも)です。
その『日月神示』の一節に、「子年(2008年)の前後10年が危険である」読み取れる部分があります。
天明の予言によれば、その年に東京と始め大都市が火の海に包まれる災厄が起こる可能性があるといい、これは大地震による大火のことを指すのではないかと言われています。
③富士山の噴火(2018年8月22日)
オカルトやスピリチュアリズムのジャンルにおいて、しばしば用いられる用語に「アカシックレコード」というものがあります。
これは地球のみならず全宇宙の発生から終焉までに起こる「すべての出来事」の記録層とされています。
この「アカシックレコード」にアクセスし、その記録を読み解くことができれば、当然、未来に起こる出来事もすべて「予知」することが可能となるわけです。
「アカシックレコード」にアクセスできるとされるアメリカの予言者、ゲリー・ボーネルは、2018年8月22日に富士山が噴火することを予言しています。
その噴火は富士山の形を変えてしまうほど大規模なもので、その影響で関東圏は壊滅し、日本の中心が地方に移転するとされています。
④日本沈没(2018年7月)
20世紀前半にアメリカで活動し、その後のアメリカにおける神秘思想活動(ニューエイジ)に多大な影響を与えた霊能力者エドガー・ケイシー。
彼は催眠状態で未来に起こる出来事を予見し、数多くの予言を行いました。
そのエドガー・ケイシーが、2018年7月に日本が沈没するという、恐るべき予言を残しています。
彼によれば、2018年7月に、かつて太平洋に沈んだはずのアトランティス大陸が再浮上し、その影響で世界中で地殻変動が発生、日本もその変動の影響を受け、列島の大半が海に没することになるといいます。
⑤東海大地震(2018年6月)
地震学においてもその発生の可能性の高さが注目され、行政的な対策が急がれている東海大地震。
今後30年以内に発生する確率は87%であるとも言われています。
当然、予言者の中にも、東海地震発生の予言をしている人物は少なくありません。
ブラジル人予言者、ジュセリーノ・ダ・ルースは阪神淡路大震災や東日本大震災を予言し的中させたとされていますが、その彼が2018年の6月に東海大地震が発生することを予言しています。
まとめ
「予言」や「予知」の精度に関わらず、日本が世界でも有数の地震国であることは間違いのない事実です。
予言を信じる信じないは別として、常に大地震が起こりうることを想定し、その準備を怠らないことが必要でしょう。