狐にまつわる都市伝説!狐憑き・狐の窓・妖狐!

愛くるしい姿で、タヌキと並び昔から日本人に人気の動物・キツネ。狐に化かされた・狐の嫁入り・狐憑きなど、各地にさまざまな伝説が残されている。狐に関する興味深い話を集めてみた。

狐の窓で正体を見破る?

狐はよく人に化けたり、妖術を使うとされている。しかし、「狐の窓」を作って覗くと見破れるのだそうだ。

手で簡単に作れるのでやってみよう。まず、両手で狐の形を作り、手の甲が見えないように右手だけひっくり返す。右手の小指と左手の人さし指を重ねる。左手の小指と右手の人さし指を重ねる。指をすべて開くと、隙間ができる。これが「狐の窓」である。

さらに正体を見破るには呪文が必要だ。

「けしやうのものか、ましやうのものか、正体をあらわせ」と三回唱えよう。
古くからの言い伝えで、こうすれば化かそうとしている狐の姿を見ることができるという。

また、狐に化かされないようにするには眉に唾をつけることが有効であるとされた。眉の毛の数を知られないようにするためだとか。「眉唾」という言葉の語源でもある。

狐憑きとは何なのか?

狐憑き(キツネツキ)とは

昔の日本では、当時の知識で解明できないことを、妖怪や悪霊のしわざとすることがあった。狐憑きはその名のとおり、狐の霊に憑りつかれた人やその状態をさしており、代々狐付きの家系は「憑きもの筋」などと呼ばれることもあった。狐は稲荷神の使いとして信仰されていた一方で、妖術で人を惑わす危険な存在としても知られていた。

狐憑きの症状は多様だが、「ヒステリックな言動をして錯乱状態になる」「見た目に気づかわなくなり、住居が汚れたりする」「賭博にはまる」「凶暴になり他者に襲いかかる」「四つん這いで貪り食う」などが挙げられる。顔つきも狐のようになって、明らかに以前とは変わってしまうという。

狐憑きにならないためには

狐憑きのような症状は現代でも見られる症状である。が、現代では医学的に研究されてさまざまな病名がついていたりする。それでも、そうなってしまうきっかけは「狐に憑りつかれたから」である可能性はゼロではない。

憑りつかれるのを避けるためには、狐霊のいる場所に近寄らないことが肝心だ。あやしげな廃墟、さびれた神社などに狐霊が居座っていることがあるのでうかつに足を踏み入れないようにしよう。

なお、海外では狐ならず「臨床人狼病」など、狼の名が使われた狐憑きのようなものが見られている。

狐の嫁入りとは?

ところで、晴れているのに雨がぱらつくような転機に出会ったとき「狐の嫁入りだ」と言っている人を見たことはないだろうか。いわゆる天気雨の日を「狐の嫁入り」と呼ぶことがあり、幻想的な雰囲気もあって、縁起の良い天候とされている。

狐の嫁入りにはもう一つあり、夜の怪火をさす。昔の花嫁行列は夜に見られるもので、提灯を持った人の列であったのだが、どこの花嫁行列かも分からないものを見た人が「あれは狐の嫁入りでは」というようになったらしい。

妖狐についても紹介

出典:Sawaki Suushi (佐脇嵩之, Japanese, *1707, †1772) [Public domain], via Wikimedia Commons

古くから漫画や創作物に登場することの多い狐の妖怪・妖狐。300年以上生きており、1000年も経つと尾が九本になるといわれる。中国でも有名な伝説で、さまざまな文献に書かれている。善狐と野狐に分けられており、年齢や修行の進度により地位がある。「妖狐」は100歳から500歳までの「地狐」をさし、野狐ではこの位が最高位。一方、善狐はさらに上の位をめざすことができ、神の使いとして神通力を得ていく。

那須高原に残る「殺生石」の伝説

中国からやってきた九尾の狐が、美しい「玉藻の前」に化けて帝をたぶらかしていたのを、陰陽師阿部泰成に見抜かれて、那須に逃げ込んだ。退治された後も毒気を放つ石となり、殺生石周辺は鳥も飛ばないという言い伝えがある。実際にこの石の周辺は現在も硫化水素の発生があり、立ち入り禁止となっている。松尾芭蕉もかつて訪れたこの地は景勝地であり、九尾の狐の殺生石以外にも多くの伝説が残されている。

狐とお稲荷さん

稲荷神社といえば狐を連想する人が多いだろう。稲荷神社は狐を祀っているわけではなく、狐はあくまで神様の使いである。稲荷神社は豊作に関することや商売繁盛など、人の暮らしと密接した関係にある神社として全国各地に存在する。稲荷神社は一度参拝するとずっと参らなければならないとか、狐のたたりの話など諸説があるが、神社に参拝する際は稲荷神社に限らず正しい参拝方法を知っておく必要があり、神様に敬意を持って参拝することが大切である。

また、稲荷神社の狛狐がくわえているものは巻物やカギなどそれぞれに異なり、巻物は知恵、カギは豊穣など、ご利益も違うとされている。お供えに用いられる油揚げだが、狐の好物が油揚げとされるようになったのは、元はネズミの油揚げだったものが仏教の影響などで変化したものである。

狐と人間との関係は何百年も前から続いており、ときに神様の使いとして、ときに人を化かす妖狐としてヒトの前に現れる狐は、これからも愛され敬われていくことだろう。

最新情報をチェックしよう!
error: Content is protected !!