「異世界」それは、我々が過ごしているこの世界とは、また別の次元に存在している世界のことである。
本来であれば、我々が過ごす世界と異世界が交わる事はなく、人が出入りすることはできないのだが、一定の条件を満たすと異世界に行く事ができるという。
今回はその異世界の番人と呼ばれる「時空のおっさん」について、時空のおっさんの正体とは何か?という疑問について紹介していこうと思う。
異世界=パラレルワールド
異世界の番人通称「時空のおっさん」とは?
とある掲示板サイトに投稿された体験談から、「時空のおっさん」の都市伝説は広まった。
2006年2月のこと。(2007年7月という情報もあり)
投稿者は「夢のような話だが、聞いてほしい」と、以下のような書き込みをした。
起床すると午前10時。
大学が始まるのが9時半からなので、既に遅刻している状態なのだが、特に焦ることもなく支度を始めた。
実は、俺の家から通っている大学までは歩いて3分もかからない。
家を出て、大学に到着した時に携帯の時計を確認すると、時刻は10時24分だった。
大学内には誰もおらず「みんなきちんと授業に出ているんだな。」なんて事を考えながら、教室に向かい、中に入ってみるが、誰もいない。
教室を間違えたのかと思って、持っている紙を確認するが教室は間違えていない。
おかしいと思い教室を出たところで携帯が鳴った。
「NOBODY」と英字で表示されたが、俺の携帯には英字で表示される設定は無い。
この体験で、ここが一番不思議な点だと思う。(2006年は、いわゆるガラパゴス携帯が主流で、英語に対応しているものはなかったという。)
警戒すれば良かったが、何を思ったか電話に出てしまった。
「もしもし」と言い終わる前に「お前!なんでここにいるんだ!!」と大声で怒鳴られた。
電話の主は、中年の男性で完全に「ただのおっさん」だった。
「あなた誰ですか?」
「そんな事はどうでもいい!どうやってここに入ってきたんだ!」
「あなた、何を言っているんですか?」
「外を見ろ!」
「イタズラはやめて下さい!」
しばらく会話が続いた後、電話を切った。
おっさんの最後の言葉が気になって外を見てみると、グラウンドの中心にこちらへ背を向けた状態で、男性が立っているのが見えた。
耳には携帯電話を当てており、先ほど俺に電話をかけてきたおっさんだとわかった。
俺がおっさんを見ていると、振り向く素振りを見せポケットに手を入れて“何か”を取り出す素振りを見せた。
「ヤバい!!!」直感でそう思った俺は、勢いよく教室から飛び出した。
その瞬間、俺の身体が伸びるような不思議な感覚に襲われた。
気が付いたら家のベッドの上だった。
「変な夢を見たのか。」そう思い、時計を確認すると午前8時。
遅刻したはずだったが、余裕で間に合う時間だ。
大学に向かうために準備を始め冷蔵庫を開けると、朝ごはんに取って置いた昨日の残り物が無い。
台所の流し台には、空になった食器だけが置かれていた。
さっき見た夢の中で、確かに俺は残り物の朝ごはんを食べていた。
これは俺が勝手に思っていることだけど、夢で見たあのおっさんは「異世界の番人」なのではないかと思う。
おっさんと確かに電話で会話したはずだが、声や服装を一切思い出せない。
ただ「おっさんであった」という事だけは、はっきり覚えている。
「時空のおっさん」の正体とは?
先ほど紹介した「時空のおっさん」の話が掲示板に投稿されてから、「同じような体験をした」という話が次々とネット上に投稿された。
一人の男子大学生が経験した不思議な体験だけには留まらず、「おっさん」は「時の番人ではないのか」という話まで持ち上がった。
「時空のおっさん」に遭遇した人々は、おっさんについて、以下のような特徴を挙げている。
・小柄な中年の男性(おっさん)
・どこかの工場の作業着を着ている(スーツを着ていたという情報もある)
・電話がかかってくると「NOBODY」と表示される
・電話越しだと大声で怒鳴り、ぶっきらぼうな返事をする
・直接会話をすると小声
この都市伝説の興味深い所は、同じ体験をしたと言う人が何人もいるという点である。
一人が体験した、ただの不思議な話だけに留まらず「別の世界に行って同じおっさんに遭遇した」という事は、ただの都市伝説ではなく、本当に異世界があるという裏付けにもなる。
体験談を掲示板に残している人達は、みな無事にこの世界に帰ってこられているが、なかには、異世界に行って戻って来られないという例もあるようだ。
そうならない為に、時空の番人である「時空のおっさん」がいるのかもしれない。