世界に数多く存在する、時代背景にそぐわないもの「オーパーツ」。
今回は「パレストリーナのナイルモザイク画」について紹介していこうと思う。
どうやらこのモザイク画には、おかしな生物が描かれているという…。
オーパーツのナイル・モザイク画とは?
from Le Musée absolu, Phaidon, 10-2012 [Public domain], via Wikimedia Commons
モザイク画がオーパーツだと言われる理由
パレストリーナのナイルモザイク画には、その当時既に絶滅しており、存在していないはずの恐竜や、サーベルタイガーと思われる生物が壁に描かれている。
現代では、化石の発掘に伴い、研究などが進んでいるため、太古の昔に恐竜という生物が地球上に存在していたことを知っている人がほとんどである。
しかし、この時代の人々の文化が現代と同じレベルまで発達していたとして、恐竜の存在を知っていたとしても、壁画に人と一緒に描くとは考えにくい。
この壁画は「人と恐竜が同じ時代に生きていたこと」を伝えようとしているのかもしれない。
パレストリーナとは
パレストリーナとは、紀元前7世紀から8世紀頃に栄えていた都市である。
現代の地図のローマから見て、東の方角に位置し、サッカーが有名なラツィオ州にある。
壁画は、紀元前1世紀(古代ローマ時代)頃に建てられたと思われるフォルトゥナ神殿の遺跡の壁に描かれている。
現在では「パレストリーナ」というと、フォルトゥナ神殿の遺跡付近の地域のことを指すが、当時はこの辺り一帯が巨大な都市だったと言われている。
壁画には何が描かれているのか
壁画は「ナイル川が氾濫したようす」を題材としている。
そして、誰が見ても恐竜だと思うような生物も描かれているのだ。
恐竜のほか、サーベルタイガーのような姿も描かれているが、こちらも氷河期には絶滅したとされている。
しかし、恐竜やサーベルタイガーが描かれているということは、壁画が描かれるその時まで、絶滅していなかったということになる。
描かれている恐竜の種類
壁画に描かれている恐竜は、見た目の特徴から「イグアナドン」だと推測されている。
Nobu Tamura [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
イグアノドンは、恐竜研究が始まってすぐに発見された恐竜で、見つかった化石の歯の形が爬虫類のイグアナに似ていたことから「イグアノドン」という名前が付けられた。
こちらも今から6500万年前に絶滅したと言われている生物である。
壁画の信ぴょう性
この壁画と同じようなモザイク画は、イタリア・ポンペイでも発見されている。
アフリカのナイル川とイタリアのポンペイは、海をまたいで1万700km程離れている。
距離も離れていれば文化も全く違う場所で、同じような壁画が描かれていたということは、人間と恐竜が同じ時代に生きており、壁画に描くほど身近な生物だったことが伺える。
このことから、壁画の信憑性は高いと言えるだろう。
世界各国に恐竜と人間が同じ時代に生きていたかのように感じさせるオーパーツは存在するが、恐竜の種類まで推測できるほど、クオリティの高いオーパーツは珍しい。
もちろん竜やドラゴンのような空想上の生物を描いた可能性もあるかもしれないが、イグアナドンやサーベルタイガーに酷似した絵のデザインを見ていると、その可能性は低いのかもしれない。
まとめ
いかがだっただろうか?
やはり「恐竜と人間が共存していた時代があった」と考える方がより自然であり、ロマンがある。
そう考えると、絶滅したと思われている様々な生物も、時代の変化に適応して、身を潜め、生き残っている可能性があるということになる。
このような壁画が、更なる歴史の大発見に繋がることを期待したい。