バミューダトライアングルの現在は?語り継がれる魔の三角海域の謎

Renan Kamikoga

自然の力は恐ろしく、人間にとって時には大きな脅威となりうる。

美しい海は人々に恩恵をもたらすだけでなく、不思議な伝説や恐ろしい言い伝えも残している。皆さんは「バミューダトライアングル」という言葉を聞いたことがあるだろうか。その名のとおり三角形をしているバミューダトライアングルは、フロリダ半島先端・プエルトリコ・バミューダ諸島を結んだ海域のことである。

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この海域においては不可解な事件が多く起こっており、船舶や飛行機、乗組員が姿を消すことから「魔の三角海域」と呼ばれている。『パイレーツオブカリビアン』など映画やアニメをはじめとした多くの作品にとりあげられているので、耳にしたことがある人も多いかもしれない。

バミューダトライアングルにおける事故

出典:Photographed by Sargent. [Public domain], via Wikimedia Commons

バミューダトライアングルで起こった事件を紹介しよう。

有名なのは1918年3月13日、アメリカ海軍の輸送船サイクロプス号の行方不明事件である。サイクロプス号には202名もの兵士が乗っていたが、漂流物も生存者もまったく発見されていない。

過去には1880年にも300名を乗せたアトランタ号が行方不明になっている。

船だけでなく飛行機も数多く行方不明になっており、1963年に消えた海軍大型輸送機カーゴマスターにおいては、連絡がとれなくなった後、機体も遺体も荷物もまったく見つからなかったという。その後も飛行機の行方不明事件が起こっているが、「捜索しても何も見つからない」ところがバミューダトライアングルでの事件の恐ろしさを伝えている。行方不明者は1000人を超えており、現代に至っても不明のままである。

バミューダトライアングルでは事故の前に計器の不具合などが起こることが知られており、位置を掴めなくなった飛行機などから無線で報告があった後、まったく連絡が取れなくなるケースが多く伝えられている。

バミューダトライアングルの事故の真相は?

真相①:ワームホール説

バミューダトライアングルにおける事故では、船の乗組員だけが消えてしまうものもあったため、ワームホールをくぐってタイムスリップしたのではないかという説も立てられた。ワームホール自体の存在が証明されていないが、時空をつなぐトンネルをくぐってどこかへ行ったとしか思えない状況もあったのかもしれない。

真相②:宇宙人によるもの?

船を残して乗組員だけが消える事件なども起こっているため、宇宙人による誘拐説も唱えられた。この海域において不思議な光が目撃されることもあったらしく、ブラックホールの出現や宇宙人の存在と関連付けた説も多くたてられている。

真相③:気候が原因?

バミューダトライアングルが恐ろしいのはハリケーンの多発地帯だからでもある。気象が激しい場所であり、バミューダで発生するハリケーンは原爆一万個を優に超える威力といわれる。のちの解析により、飛行機や船舶の消失は空気爆弾によるものではないかといわれた。最大時速70キロの風を起こす空気爆弾の発生によって、巨大な航空機も消滅した可能性はありうる。特徴的な六角形の穴が開いた雲の存在からマイクロバーストが起こったことが推測でき、この急激な強風によって事故が引き起こされたという説が有力になっている。

真相④:メタンハイドレート?

また、メタンハイドレートが原因とする説もある。天然資源の一種であるメタンハイドレートはバミューダトライアングルの海底にも多く存在し、気化の際に海面の浮力を奪うとされている。浮力のなくなった場所を航行した船が沈没した可能性もあり、事故の原因となった説が有力しされている。航空機においても、メタンガスがエンジンに引火して墜落した可能性は高い。

バミューダトライアングルに眠る文明

バミューダトライアングルの海底から、古代遺跡も発見されている。ロボット潜水艇で発見された水深700メートルの場所に、クリスタル・ピラミッドをはじめとする遺跡があったそうだ。つまりここに文明が存在したということだろう。魔の三角海域に文明が栄えていたというのは何とも神秘的で興味をかきたてられる。一説ではアトランティス文明に関するものともいわれている。

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現代においては、大きな行方不明事件などは起こっていないものの、バミューダトライアングルはまだまだすべてが解明されたとはいえない場所であり、これからも謎の解明が待たれるところである。

バミューダトライアングルの現在は?

上記のとおり謎多きバミューダトライアングルの事故だが、このような不思議な事故は現在でも起こっているのだろうか?

現在の状況を調査したところ、1900年代後半以降はこのような謎の事故は発生していないようである。

当時と比べると、現在は船や飛行機の性能が向上しており、GPSなどの位置特定技術も発達しているため、気候の影響を受けにくくなったことが要因の一つとして考えられる。

番外編:ドラゴントライアングル

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最後に余談だが、日本にも魔の海域は存在する。ドラゴントライアングルと呼ばれ、小笠原諸島の新島の西南西方向に位置する。穏やかな気候の日に船や飛行機が消息を絶つ事件が報告されており、40件以上の行方不明事件が発生しているとされていたが、のちに詳しい調査をしたところ、気候トラブルや燃料不足によるものだったことが判明したケースも多い。バミューダトライアングルのような不可解な一帯ではなかったということかもしれない。

いずれにせよ、地球の多くを占める海はまだ人類に解かれていない謎を多く秘めており、科学がどれだけ進んでも畏敬の念を抱かせてくれる存在であることに違いはない。

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